続 エアコンの機種選定 省エネエアコン
おかげさまです。福岡で自然素材をふんだんに使いながら、壁掛けエアコン1台で
快適に過ごせる高性能住宅を建てる工務店のベストホーム吉永です。
先月アップしましたエアコンの機種選定の記事から、時間が空いてしまい
10月20日を過ぎてしました。
丁度の今の時期は、エアコンを使われている方も少ないかと思います。
私も今年は10月10日迄は24時間運転をしておりました。
電気代の件は、また後日報告したいと思います。
さて、10月下旬になると、来年2020年のエアコンを含めた家電品の
新商品が発表されてくると思います。
ダイキンが11月1日、日立が10月末に新商品を発売すると記事が載って
おりました。
ダイキン、「水内部クリーン」を搭載したルームエアコン「うるさらX」など
ダイキン工業は、新ブランド「うるるとさららシリーズ」より、ルームエアコン14機種を発表。「うるさらX(Rシリーズ)」9機種を11月1日に、「うるさらmini(Mシリーズ)」3機種を12月24日にそれぞれ発売する。
■「うるさらX(Rシリーズ)」
同社独自の無給水加湿技術を応用した、業界初(同社調べ、2019年10月3日時点)の「水内部クリーン」を搭載したルームエアコン。「水内部クリーン」は、室外から取り込んだ水分を利用して最大1Lの結露水を生成し、熱交換器のホコリを洗い流す機能。これにより、冬の結露の発生しにくい状況でも熱交換器を洗浄することが可能となった。
ということは型落ちになる
2019年モデルが年末から年始にかけて安く購入する
事が出来る可能性があるという事ですね。
新商品には新しい機能がついたりしていますが、電気代に直結する省エネ性能は
そこまで性能アップすることは無いかと思います。
ですので、エアコンを買い替え又は購入する予定の方は選定の基準の
ひとつにして頂ければと思います。
前回の話しでは、エアコンはカタログ数値のAPF7.0前後の製品を選ぶ事や
畳数表示がが前回の東京オリンピックがあった1964年から
約55年近くも見直されていないことをお伝えしました。
エアコンの機種や畳数選びを、現在の家・もしくはこれから建てようと
する家だと、どう選んだ方が良いかという事になるかと思います。
恐らく、昭和55年以前に建築された断熱材の入っていない住宅は
カタログに表示されている畳数以上で検討された方が良いかと思います。
弊社のお施主様からよく聞く話ですが、実家に帰るとメチャクチャ寒い
というレベルの家です。この場合、隙間が大きすぎて気密が無い為に
暖かい暖気はどんどん抜けてしまい、足元が温まることはありません。
もはやエアコンだけでは効かないよう状態になっていると思われます。
では、どのくらいの断熱性能があれば良いのでしょうか?
ご存じの方もいらっしゃると思いますが、『次世代省エネ基準』と言われる
平成11年頃に制定された断熱基準です。この頃は断熱基準をUA値ではなくて
Q値と呼んでいました。次世代基準のQ値2.7、隙間相当面積C値が5.0を切る
と高気密の分類される性能が基準でした。
恐らくこの位の性能値の住宅でも、ある程度の性能はありますが、
やはり暖気が上昇気流で上に抜け、その抜けた分だけ下から冷気が侵入してきま
す。部屋全体としては暖房能力はありますが、足元や床が寒くなってしまい住人の
満足感は得にくくなります。
よく言われる『吹き抜けがあると寒い家』が近い感覚ではないでしょ
うか?恐らく、現在の建売住宅もこれに近い状況じゃないかと想像しています。
この状態でもエアコンだけで満足できる人は多くはないと思います。
このような住宅で一番の問題は気密が取れていないという事になると
思います。次世代断熱基準でも気密性能がC値1.0を切れる位までの性能というか
施工精度がある工事ができるようになると、余計な隙間が少なくなり冷気が下から
引き込まれにくくなるので、満足度がかなり上がると思われます。
人によっては暖かく感じるようになり、エアコンの暖房温度を下げたり運転時間
も短くすることで、満足感が得られる人も増えてくるようになります。
では、住宅でC値が1.0を切れる家はどの位あるかと言うと、現在の新築でも
大手ハウスメーカーがC値を公表してる会社は3社位しかありません。
ですので、C値1.0をクリアする住宅は10%~20%の間もあるかどうかと
考えております。
最後に、ベストホームでは国が制定した平成25年省エネ基準の北海道地域に
適用されるUa値0.46をクリアできるように施工しております。
この位の断熱性能あれば住宅の大きさが40坪(80畳)位だとすると、
16畳用エアコン(5KW)1台で、今までの経験上昼間に内部のドア
を開けていて家中に空気が循環できるようになっていれば、
問題なく実現可能です。基準の畳数の約5倍の性能です。
エアコンの最大能力で見ればもっと小さなエアコンでも対応できる
と思いますが、余りお勧めしません。
なぜなら、エアコンの定格能力より少し余裕がある位で運転する位が
効率が良く機械的にも負担が少ないからです。
車の燃費でも能力的には180キロ出せますが、高速でも100キロα
で運転するより80~90キロ位で運転する方が燃費が良くなるのは
皆さんご存知だと思います。
その一方で、比較的新しい住宅にもかかわらずエアコンの機種選定を
実際の畳数どおりか、一回り大きい機種を選んでいる人が多いと思います。
能力が大きくなると購入金額もアップしますので非常に勿体ないですし、
部屋の断熱性能に対して大きな機種で運転していると、
弱運転している時間が多くなり電気代の燃費まで悪くなっていると考えられます。
車の渋滞時のノロノロ運転に近い状況です。
一番良いのは、住宅の省エネ性能値にあわせて、エアコンを販売する側が
適切な能力の計算ができるような仕組みが出来れば良いと思いますが…
実際、家電量販店の販売員さんが取付する家や断熱や気密の性能値を
知っていることもありませんので、エアコンに選定について計算が出来る
施工者や設計者に選択してもらうか、購入されるお客様が自己責任で計算
するしか方法がないと思います。
2年ほど前に電力中央研究所が、エアコン選定支援ツールというのを
WEBにて公開していますので、参考にされて下さい。
もちろん、ベストホームではエアコンの選定、冷暖房計画をプランの段階から
相談しながらお話を進めさせて頂きますので、ご安心ください。
今回も長くなってしまいました。最後まで読んで頂きありがとうございました。
文章では、解りにくい所も多々あったかと思います。
疑問・質問等ございましたらお気軽にお問合せください。
おかげさまでありがとうございます。
株式会社ベストホーム
吉永 泰典